画像出典/PxHere https://pxhere.com/
鬼ごっこ、かくれんぼ、トランプ、オセロ、交換日記。いろんなものがあるだろう。その中の1つ “心理テスト” 。性格診断や深層心理が知りたい……というよりも当時はまだ小学生。おふざけ半分で私もよく試したものだ。「○○を選んだあなたは、実はこの人のことが好き!」なんてことが書かれていると、必死に〝ありえない、ありえない!〟と友人とふざけあい、大はしゃぎした。あまりにもハマりすぎて、心理テストがいっぱい記載されてある本まで買っていた。懐かしく、楽しかった思い出の1つである。
今では様々なジャンルの「心理テスト」がネット上に溢れており、SNSでも若年層を中心としたブームに火が付きつつある。ここでもその心理テストを行ってみようではないか。
或る処に「Lさん」と「Mくん」というカップルがいる。2人はそれぞれ、大きな川を挟んだ対岸に住み、橋を渡ってよくデートをしていた。しかしある日、川が氾濫するほどの大洪水があり、橋が流されてしまった。その為、Lさんは大好きなMくんと会えなくなってしまった。
どうしてもMくんに会いたいLさんは、船を持っている「Bくん」を見つけ〝船に乗せてください〟と願いをした。Bくんは言う。〝乗せてもいいけど、100万円を払ってもらうよ〟。〝そんな大金払えないわ〟。Lさんがそう言うと、Bくんは船に乗り、どこかへ行ってしまった。次に来たのは船を持つ「Sくん」。彼は困っているLさんに言った。〝船に乗せてあげる代わりに、キミを1晩自由にしたい〟。Lさんは迷いに迷ったが、結局その条件を受け入れてしまう。
約束通りLさんは川を渡ることが出来たが、Mくんは聞いた。〝どうやって川を渡ったの?〟。大好きなMくんに嘘がつけず、Lさんは全てを白状してしまった。それを聞いたMくんは激怒。〝そんな女性だとは思わなかった! 別れよう!〟。悲しみに暮れているLさんの前に現れたのが「Hくん」。〝全てを見ていました。あなたの助けになりたいのです〟。優しい言葉に絆されたLさんは、そのままHさんと結婚した。
さて、ここで質問。今の登場人物の中であなたが最も嫌いなのは誰だろうか。
実は、あなたが最も「嫌い」と答えた人物は、あなたが最も(羨ましい)と感じている人物なのだ。心理学では「投影」という考えかたがある。一言で言うと「自分の気持ちを抑圧した気持ち(影)を他者に移し替えること」である。
《 Bくん 》=「Business」(仕事)。心の奥に(自分もお金の追求をしたい)という気持ちを持ちつつも、うまく実現できずにストレスを感じている。そのため(ここまでお金にこだわるなんてあさましい……)と考え、自分の本心から目をそらしバランスを取ろうとしている。
《 Sくん 》=「Sexual」(性)。心の底で(もっと情熱的で蜜な男女関係にしたい)と考えている。しかし、それが実現できないため(モラル的に貞操観念の低いやつだ……)と攻撃することで、同じく奔放的な考えを抑圧しようとしている。
《 Hくん 》=「Home」(家庭)。安定した家庭や結婚生活を何よりも強く望んでいる。しかし、それがうまく作れないため(あとから出てきて調子のいいことを言って結婚するなんて、恥ずかしくないのかな……)と攻撃し、家庭を求める気持ちを抑えている。
《 Lさん 》=「Love」(愛)。あなた自信が、何よりも純愛や燃えるような恋を経験したいと思っている。しかし、うまく実現出来ないので(あんなに周囲を振り回したり、みっともない真似までして悲劇のヒロインぶって……)と攻撃してしまうのだ。
《 Mくん 》=「Moral」(道徳)。社会道徳をうまく守れない自分に不安と苛立ちを感じている。そのため(こんな風に社会通念に縛られるなんて馬鹿なやつ……)とMくんを否定することでその不安を抑えようとしている。
さて、あなたの結果はどうだっただろうか。私はMくんを選んだのだが……該当する気がする。実際、対人関係で悩む人は多いのではないだろうか。そして人を羨むこと。当然のようにある。何もかも完璧に持っている人なんて世界中を見渡しても、ごく数人ではないかと私は思う。
生きていると必ず “対人関係” は生まれる。会社や学校へ行っていなくても、SNSや『MILU』のようにインターネットで繋がっている。それもまた「対人関係」なのだ。究極的に考えると、対人関係が一番の問題であり、一番大事なことだ。誰だって一度や二度は「仲違い」することもあるだろう。だが、その後の対処が大事なのだ。《十人十色》と云う諺がある通り、皆が同じではない。気が合わない人だっているのが当然だ。その人とはどう接していくか……。そこも人それぞれ。正解は無い。後腐れないように考えるのも “人生の勉強” である。
Writer:めしまま